2010年10月〜2012年3月まで愛知県新城市の湯谷温泉郷にて、展示・制作していた美術作品「うつる」についての記録です。
(写真はクリックすると大きくなります。)

2012-01-29

冬空の下に春の気配(後篇)/にぎわう温泉街

午後になって作業を切り上げて、踏切近くの「おかみ茶屋」へ向かうと、
今日はこれから企画展の作品の「アートガイド」をするよ、とのことで付いていくことに。
1日に2回とのことですが、午前と午後でまわる場所が違うようです。

※「新城市企画展」の各イベントは、それぞれ開催日が限定されています。きてみん!奥三河」のサイトにてよくご確認ください。

ちなみに今年も各旅館の受付で押してもらえるスタンプを集めて
温泉入浴券がプレゼントされる企画が行われています。
「湯の風 HAZU」では、エントランスの他に
川を臨む気持ちのいいギャラリースペースでも展示が行われていました。

「ゆかわ」でガイドをされる土屋さん(左側)。
学生さんとのことですが、
多くの作品とその内容、制作手順などを
ほとんど淀みなくすらすらと解説されていました。
すごい。。
(前夜眠れなかったまま来ていた私は、この日急に自分の作品を解説することになってもうまく話すことが出来ず散々たるものでした…。)
こちらは「翠明」の別館の利修庵の2階。
紙谷さんが建物いっぱい使って展示されていました。
それにしても駅から歩いて通るたびに見ていた建物の中に、
こんなお座敷があったとは!

あちこちを周り作品を鑑賞する一方で、
いろんな佇まいの旅館があり「こちらの旅館もいいな」と
行く先、行く先で目移りしてしまいます。

イベントの情報ステーションの一つになっている「おかみ茶屋」では、
「手づくりチャレンジ」というアートやクラフトが気軽に体験できるワークショップのうち、
「吊るし雛を作ろう」「タイルアート体験」が開かれていました。
縫いものでできるものに興味があったので、吊るし雛を作ってみることにしました。

こちらで作れるのは、上のようなコノハズクと桃です。
私は桃にチャレンジ。
カットされている小さな布を手順を教わったり、
見本を見せてもらったりしながら縫い合わせて綿を詰めます。

出来上がった吊るし雛はスタッフの方が紐につなげていきます。
ひな祭りまで休日である火曜を除いて毎日行われるそうです。
普段細い糸ばかり使っているからか(?)ついつい縫い目が細かくなり、意外と時間がかかりました。

ちょうど2人の年配の女性が制作されているところに居合わせたのですが、近所の方なのかそれとも観光で来られたお客さんなのか…、訊ねないとわからないほど熱中されて溶け込まれていたのには驚きました。
私自身にとっても、縫いものが好きという人たちのおしゃべりを聞きながら手を動かして作る時間はとても楽しかったです。


帰り道、駅のホームから見える梅の木を撮ってみました。
日が長くなって陽射しもあたたかく感じられるようになってきましたが、
花が咲くのはもう少し先みたいです。

寒波の到来が話題になっていますが、カレンダーを見てみれば、次の週末には立春なんですね。
そして今年も2月から湯谷温泉の大駐車場の舞台で花祭りが始まります。

冬空の下に春の気配(前篇)/現地制作6th

少し早めの飯田線に乗って到着したのが朝の9時半頃。
さすが休日。車内の雰囲気を観察するだけでもちょっとした高揚感が味わえます。
旅行やトレッキングに出かけるグループもいれば、
鉄道ファンに人気がある路線ということもあり、車内でもカメラをしっかり握るお客さんもちらほら。

湯谷温泉駅でも昨年の秋から駅舎で運営されている「Café de 牧水」が話題になったり、
前日の28日からきてみん!奥三河の新城市企画展が開催されている所為か、
まだ開催時間には早いもののいつもは静かな温泉駅も少しそわそわ。
普段見かけなかった層のお客さんが降りていて、何だか違うところに着いた気分。

そんな様子を横目に見ながら、とりあえず先に作品へ。


重なる木々の影が、作品や白く冬枯れした地面に落ちていて、
ふとした角度で一体化して見えたので1枚。


晴れの日が続いているからか、川の流れも穏やか。
この日は天気が良くて青空が川面に映り、水がきらきらと光ってとてもきれいでした。
写真はつり橋から馬の背岩がある方向を見たところです。


それにしても、冷たい風が強くビュービュー吹いているのでびっくり。
寒い!!
でも…落ち着いてみると、陽射しはとてもあたたかいのです。
ちょっとだけですが、春が近付いて来たのを感じます。


布越しに透けた枯れた植物の枝やつるを、小さな森に見立てて。

作品の上に積もっていたカエデの種。

後篇に続く)