2010年10月〜2012年3月まで愛知県新城市の湯谷温泉郷にて、展示・制作していた美術作品「うつる」についての記録です。
(写真はクリックすると大きくなります。)

2011-07-02

もりもりふくらむ夏/現地制作5th

久しぶりの飯田線です。
夏の土曜日でハイキングや鉄道旅行を楽しみに来たお客さんで賑わっていました。

今日も三河槙原駅から歩くことにしました。

名古屋から豊橋付近まではよく晴れていたのですが、
飯田線で北上し山に近付くにつれてだんだん雲が厚くなり…。
電車から降りて歩くと、この通り梅雨景色。
























もちろん湿気もぐっと増して、とても蒸し暑かったです。
朝、途中下車した豊橋駅前では、晴れて日差しが強かった分、カラリとしていたのですが。















槙原トンネルを出て宇連川と線路が見下ろせるところです。
左側の湯谷園地では川遊びをしている人たちが見えて、
前回来た時(春!)からの季節の流れを感じました。
曇って日差しは弱いものの、蒸し暑くてたまらない天気なので、
気持ち良さそうだなぁ、と眺めながら今回も線路のある対岸の道へ進みました。

途中、養乙女橋を渡ってレスト板敷の奥で見かけた梅の木。
地面に落ちた完熟した梅の実の色がきれいでした。

近くの木立から、蝉の鳴き声が聞こえる…?

孵化して間もないようなカマキリ。
(花のやや下にいます。)






トカゲやバッタ、大きなトンボも何匹か見かけました。
が、撮ることができたのは、このシオカラトンボだけ…。
夏とだけあって、動きがとても速いです。






あちこち道草しつつ、ようやく作品のある大駐車場に辿り着きました。
3ヶ月近くのブランクです…。
しかも、5月の終わりには台風2号が通りました。

そして、さぞかし周りの草木が繁っていることだろうなぁ…
と、昨年初秋に下見へ来た時のことを思い出して覚悟していたのですが、
駐車場全体の草刈りがされていて、凄まじい様子ではありませんでした。
(ありがとうございます…。)

と、思ったのも束の間で、近付いていくと異変に気付きました。






































作品が膨張…!?
もりもり…みしみし…と音が聞こえてきそうな感じです。

布全体がぱっつんぱつんに張っていて、裂けているところもあります。
経年変化で弱くなっているところもあるはずなのですが、
あきらかに下の草木の成長で盛り上がっているようです。

(以前の「現地制作」の記事と比べてみてください。)


プランを立てる際に予想はしていたのですが、
その様子を実際目にすると、しばらく圧倒されてしまいました。



作業を始めました。
これからは破れているところをこれ以上裂けにくくしたり、
少しずつ覆っていくような作業が中心になりそうです。

てっぺんに丸く開けたところからもつるや葉がはい出してきており、
中の廃材が埋まってしまっています。

手前を糸で模様をつけるような感じで
破れが広がらないようにぐるぐると縫ってみたところです。
その奥で植物が布を突き破っています。


作業をしていると、いろんな虫が周りを通っていきます。

ある時、紫色がかかった黒い虫が1匹
手元を通りかかりました。
もしかして…ホタル?
と思ったもののすぐに茂みに紛れてしまって
目で追うだけで写真が撮れず…。

そういえばホタルの見頃って、
ちょうど今どきではないでしょうか。…残念。
(後で姿を調べてみると、やっぱりホタルのようでした。)








少し涼しくなってきて気が付くと18時過ぎ。
春からの変わり様に驚いて、思わず時間を忘れて作業をしていました。


そういえば今日は夏至から11日目にあたる半夏生。
ちょっと日没が早くなった気がしていますが、空はまだまだ明るいです。


列車の時刻を確認すると、次の上り電車は19時半頃、その次は21時前なので、
ここ数ヶ月恒例コースになりつつある、「ゆ〜ゆ〜ありいな」の温泉浴場でしばらく休憩。

すっかり日が沈んでから湯谷温泉駅に向かうと、
そこでは、光に集まったり、暗がりに紛れる夜の虫たちの姿を目にすることに…。

自動販売機の片隅で羽根を広げたところを見て、
トンボかと思ったら、触角がありました。
蜻蛉の仲間でしょうか。

ホームへ出ようと駅舎を見上げると、
ヤモリが張り付いていたり…。

そしてホームではコメツキムシと初遭遇。




旺盛な草木の様子もとても印象的でしたが、
今日だけでいろんな種類の生きものを目にしましたよ。
生まれて初めて見るものも多かったです。